〇 胃カメラと胃バリウム検査は、どっちが良い?
患者様から、「胃カメラと胃バリウム検査はどちらがいいですか?」と、ご質問いただくことがございます。結論としては胃カメラ検査をおススメします。理由の一つは、精度の違いです。胃バリウム検査は、バリウム(造影剤)を飲んだ後に、検査台の上で体の向きを上下左右に回転させ、胃から十二指腸へ流れるバリウムをX線(レントゲン)で撮影して、胃の形やおおまかな異常がないかを間接的に観察する検査となります。そのため、直接的に胃の中を観察する胃カメラ検査よりも、早期がんの発見は困難であると言わざるを得ません。
それを裏付ける根拠として、隣国の韓国で行われた25万人を対象とした調査では、胃カメラ検査とバリウム検査の効果に大きな差があることがわかりました。5年間に1度でも胃カメラ検査を受けた人は、胃がんによる死亡率が47%減少した一方で、胃バリウム検査による減少率はわずか2%にとどまりました。この結果からも、胃がんの早期発見には胃カメラがより効果的と言えます。
また胃バリウム検査で異常を指摘された場合、結局は精密検査として胃カメラ検査を受けるため二度手間をかけることになります。この点からも胃がん検診としては、胃カメラ検査をおススメします。